研究の紹介

研究の紹介

1. 喘息基礎研究: 増悪の最大の原因は感冒などのウイルス感染であり、その機構について検討している。ウイルス成分による気道上皮細胞死機構(小泉: Allergology International(AI)2016)、ウイルス感染増悪マウスモデルにおけるロイコトリエンの関与(宇治野: AI  2017)に続き、マスト細胞のウイルス感染における役割も検討中である。また、ヒト末梢血好酸球を高純度で分離する手法が安定して稼働しており、好酸球生物学については伝統的に多くの報告を行ってきている。好酸球と神経系のクロストークについてin vitro 研究を継続している (長瀬: 基盤研究)。

2. 喘息臨床研究: 環境再生保全機構から競争的資金を得て、帝京大学を主施設とする 650 例の多施設コホート研究を継続し、炎症タイプ別の増悪因子の同定を目指している。

抗 IL-5 抗体についての臨床的検討も、帝京大学を主施設とした多施設共同研究を終了し、galectin-10が治療後に低下することを報告した (小林: Asia Pacific Allergy 2021)。さらに、都内私立大学でコンソーシアムを組み、生物学的製剤の医師主導研究を手分けして進めている。

日本人重症喘息(AI 2019)、IL-5に関するレビュー (AI 2020)、重症喘息の疫学(AI 2020)、IL-5標的治療についてのネットワークメタ解析(J Allergy Clin Immunol 2019)、日本における実臨床研究 (Clin Transl Allergy, 2021 in press)など、重症喘息に関する臨床的検討を精力的に行っている。また、日本呼吸器学会の協力を得て、喘息を含めた呼吸器疾患合併COVID-19の予後に関する全国調査も行った (Respir Invest 2021)。

3. 肺線維症病態の解明: 当研究室伝統の、シリカ単回投与モデルの長期解析を行い、IL-9 を主要な因子として同定した(杉本、鈴川: Am J Respir Cell Mol Biol 2019)。杉本は、本テーマを発展させるべく、科研費 (若手研究)を2020年に取得し、検討を継続している。

 

業績

 

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