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帝京大学医学部附属病院 腫瘍内科
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腫瘍内科とは

欧米では20年以上前からがんの薬物療法を専門とするMedical Oncology という分野が展開されてきました。日本では、固形がんの治療は外科を中心として展開されていましたが、乳がんや肺がん、消化器がん(大腸がん、胃がん、膵臓がんなど)をはじめとするさまざまながんにおいて、1990年代からがん治療における薬物療法の役割が次第に増加してきています。さらに、ここ数年来、分子標的薬というがん細胞に特異的な効果を示す薬剤が次々に開発導入され、しかも複数の臓器のがんにおいて同一の分子標的薬が効果を発揮するということが明らかになってきました。一方で、手術や放射線治療と組み合わせた集学的治療を行うことが多くのがんにおいて一般的になりつつあり、新たな薬剤開発とともに副作用に対する支持療法や緩和ケアも飛躍的に進歩し、がん医療は新しい局面に入りつつあります。また、人口の高齢化とともに、がんの罹患数は引き続き増加が続いており、複数の併存疾病をもつ患者さんも多くいらっしゃいます。このため、がんに対する薬物療法の専門的な知識と技術を持ち、がん患者さんの診療を総合的に実践できる医師が必要とされるようになりました。Medical Oncologyは、地域連携体制を基盤として進行がんの集学的治療、そして、基本的緩和医療についても、診療を担う領域です。

がん薬物療法専門医とその教育

米国では、米国臨床腫瘍学会(ASCO)がMedical oncologist 主体の学会であり、公的な資格としてはmedical oncology のボードがあります。本邦では、がん関連の臨床系学会として、日本癌治療学会のほか、日本臨床腫瘍学会があります。特に日本臨床腫瘍学会では、がん薬物療法の専門医制度を設立し、毎年専門医試験を実施して現在全国で約 700 名の薬物療法専門医が輩出されています。今後日本全国で約 2000 名のがん薬物療法専門医が必要と考えられています。我々の腫瘍内科における教育カリキュラムもこの専門医取得を念頭に置いたものです。また、その教育カリキュラムのなかには、先進的ながん治療法開発のプロセスを学ぶために、がん関連の国内外専門施設への研修プログラムが含まれています。

帝京大学医学部附属病院における腫瘍内科の役割

腫瘍内科は、専門臓器別に各診療科と連携して、いわゆる肺がん、乳がん、消化器がん(大腸がん、胃がん、膵臓がん、肝臓がんなど)をはじめとする頻度の高いがんのみならず、泌尿器、婦人科、原発不明がんなどを対象とした専門的ながん薬物療法を担っています。外科・内科・放射線科など、診療科を問わず、いろいろながんの専門診療科と連携をとりながら、標準的抗がん剤治療を安全に実施し、新しい抗がん剤の治験や副作用対策の新薬に関する治験、多施設共同試験グループによる大規模臨床試験などを積極的に行っています。

帝京大学医学部附属病院は、平成20年4月から地域がん診療連携拠点病院に指定され、地域がん医療の中核機関としての役割と責任を果たすべく、充実したがん診療提供体制を築いています。地域がん診療連携拠点病院の機能を円滑に運営するために帝京がんセンターという組織が設置されました。帝京がんセンターは、外来化学療法室、キャンサーボード* 、院内がん登録、がん地域連携、地域がん相談支援、緩和医療スタッフとの連携、地域連携、がんセミナーなどの円滑な運営を担っています。腫瘍内科は、この帝京がんセンターのスタッフとしてがん医療の質の一層の向上を目指して活動しています。
*(臓器別に、関連診療科および放射線治療・画像診断・病理の専門医師、看護師、薬剤師などの専門家が集まって症例の治療方針等を検討する定期会議)

ごあいさつ

関 順彦の写真

帝京大学医学部内科学講座 腫瘍グループ/研究室のホームページをご覧いただきありがとうございます。

腫瘍内科は、肺がん、消化器がん(大腸がん、胃がん、膵臓がん、胆管がんなど)、乳がん、原発不明がんなどのさまざまな種類のがんに対して、薬物療法を中心に、全人的・包括的・総合的ながん診療を行っています。

最新のがん診療の知識、技術、経験を有する専門医による質の高いがん医療を安全に提供するとともに、院内外の多くの関連診療科・関連職種と連携し、地域を支えるがん診療連携拠点病院におけるがん治療の要となることを目指しています。効果的で安全な新しいがん治療を生み出す研究や臨床試験・治験を積極的に立案・実施するとともに、将来のがん医療を担う人材を育てる教育・研修システムを整備しています。

国民の2人に1人ががんに罹患する現代において、がんに伴う痛みや不安、心のつらさなどを含めて、医療・療養生活・QOL(生活の質、人生の質)などさまざまな視点から、最適ながん診療を提供し、がん医療の向上に貢献していきたいと考えています。

皆さまのご理解、ご支援をお願い申し上げます。

診療科長・教授
関 順彦

研究

研究概要

新しい治療法の開発は、腫瘍内科の主要な研究テーマです。このため、抗がん剤およびその副作用対策薬剤の第I-III相と市販後臨床試験に関して、積極的に取り組んでいます。第III相試験は、各種がんの診療ガイドラインを変更するような新しい標準的治療法を確立するために極めて重要な臨床研究ですが、大規模に多数例を研究に集積する必要があり、多施設共同試験グループが必須です。腫瘍内科は、欧米のグループに匹敵する業績を上げている Japan Clinical Oncology Group (JCOG) 、West Japan Oncology Group (WJOG)などの日本を代表する研究グループの活動を主体的に担っています。城北地区の基幹病院が集まった肺がんの多施設共同試験(LCEN)の企画・遂行を通して、実地医療の中で質の高い臨床研究の方法論を展開しています。また、抗がん薬のみならず、支持療法の薬剤も含め、新規薬剤の治験も積極的に行っています。現在、Clinical Research Coordinator(CRC)ナースとの連携で、治験を含めた施設臨床試験を、常時20種類ほど動かしています。院内でのインハウス研究として、EGFR変異、 k-ras変異などの分子マーカーによる治療法の選択、 Drug delivery system (DDS) 修飾による抗がん剤治療効果の増強、通院在宅がん医療の質の向上と効率化、地域におけるがん医療の向上に向けた連携と情報共有、分子マーカーも含めたがん検診の新しい方法論の検討などをテーマに各々分担して研究を進めています。これらの研究の一部は、厚生労働省、文部科学省などの公的研究班として学内・学外の研究者と連携して実施しています。

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