グループについて
診療案内
関節リウマチ・全身性エリテマトーデスをはじめとする膠原病とその類縁疾患の診断と治療をおこなっています。特にベーチェット病については国内で最も治療経験が豊富です。
具体的に、次のような症状、お悩みにお答えしています。
関節が痛い、筋肉が痛い、熱が下がらない、動くと息苦しい、眼や口が渇く、紅斑が出て痛い、手足がしびれる。
特にこれらの症状がひとつだけではなく、いくつも次々に起きるときにはリウマチ、膠原病を鑑別に挙げる必要があります。
24時間救急医療に対応し、夜間・休日は当直医が緊急性のある患者さまに対応します。他医療機関で診療を行っているかたのセカンドオピニオンにも対応しています。
受診をお考えの患者さんへ
お近くの医療機関を受診され、紹介状をお持ちいただくことをおすすめします。紹介状をお持ちの場合は、電話による初診の診察予約ができます。内科のリウマチ膠原病新患枠を指定してください。なお、当日の予約はできませんので、まず上記にお電話いただいて、ご相談下さい。
- 病診連携室(予約専用)
- 03-3964-1498
- 電話受付時間
- (平日)8:30~17:00 (土曜日)8:30~12:30
また、当院は特定機能病院に指定されています。地域に高度で良質な医療を提供するため、初診時に他の医療機関からの紹介状をご用意していただかないと選定療養費として一定額(¥3,150)をお支払いいただきます。
紹介元、医療機関様へ
同一日に初診の患者さんが重なり過ぎないために、予め、紹介元となる医療機関から、上記の病診連携室にお電話いただき、内容伝達と日時の予約を入れて頂くようお願い致します。初診の場合には内科のリウマチ膠原病新患枠を指定してください。
外来診療内容
診療・治療を行う疾患・症状名
- 関節リウマチ
- ベーチェット病
- 全身性エリテマトーデス
- 全身性硬化症 / 強皮症
- 混合性結合織病
- 多発筋炎 / 皮膚筋炎
- 血管炎症候群 (顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、高安動脈炎、巨細胞性動脈炎、IgA血管炎など)
- リウマチ性多発筋痛症
- 血清反応陰性脊椎関節症 (強直性脊椎炎など)
- シェーグレン症候群
- サルコイドーシス
- アレルギー関連疾患
- 不明熱
現在ほかの医療機関にかかられているかたでセカンドオピニオンをお求めの方もお気軽にご相談下さい。
入院診療
入院病棟では大きなベッド数を担当する総合内科の一員として活動しています。当病院の特筆すべき点の一つですが、総合内科病棟にはリウマチ膠原病専門医の他に感染症、糖代謝内分泌、腎臓、循環器、呼吸器、消化器、血液の指導医が属しております。そのため多臓器の病変をきたしうるリウマチ膠原病の各種病態に対して、各臓器専門医との強力なパートナーシップのもとに診療にあたっております。このような体制は不明熱などの患者さんの診断決定にも強力な助けとなっております。また、整形外科のリウマチグループとの連携は非常に密であり、手術などの外科的治療についてもシームレスに対応できる体制となっています。 入院病棟は15西病棟を中心としています。
研究の紹介
基礎研究の概説や成果報告
帝京大学医学部内科学講座 リウマチ・膠原病研究室での近年の研究内容を紹介します。
自然免疫炎症の分子機序とその疾患との関連
- a) inflammasomeと動脈硬化症
- 上記の通り、動脈硬化は慢性炎症性疾患として理解されている。様々な刺激によるpattern recognintion receptorsによる炎症の開始と持続は重要な役割を果たしていることが明らかとなってきた。最近、IL-1βの切断活性化はinflammasomeと呼ばれる多分子複合体の形成によることが明らかとなった。特に尿酸結晶によるcaspase-1活性化においては、NLRP3、ASCを含むNLRP3 inflammasomeが重要な役割を果たしている。我々はこれまでは完成した粥状硬化においてのみ認められると考えられていたコレステロール結晶を、動脈硬化巣の形成の初期から検出した。次にコレステロール結晶はIn VitroにおいてもInVivoにおいてもinflammasomeおよびIL-1依存性の炎症を惹起することが明らかとなった。さらに我々はNLRP3inflammasomeがマウスにおける動脈硬化に関与しているかを検討するために、LDL受容体欠失マウスに野生型コントロールのC57BL/6、またはNLRP3、ASC、IL-1αβ欠失マウスよりの骨髄を移植しキメラマウスを作成し高脂肪食を与えた。その結果、動脈硬化を発症したNLRP3、ASC、IL-1αβ欠失骨髄移植マウスにおいては大動脈洞における動脈硬化の減少が認められ、以上よりNLRP3 inflammasomeが動脈硬化発症に関与していることが示された。
- b) 善玉コレステロールを用いた炎症性疾患の治療
- 動脈硬化は動脈壁の内膜における脂質の蓄積による代謝性疾患であると同時に、慢性炎症性疾患としての側面を持っている。近年の研究により、自然免疫はその炎症において中心的な役割を果たしていることが判明してきた。わたしたちは人工合成した善玉コレステロール(rHDL)の投与により、コレステロール結晶などによるinflammasomeの活性化が抑えられることを発見しました。現在、川崎病モデルマウス、関節リウマチモデルマウス、などを使用して生体内でも自然免疫炎症がrHDLで抑えられるかを検討しています。