2024年度 医学研究科 緩和医療学特論
新世代の緩和ケア医を育成します
緩和ケア医に求められるスキルは、近年大きく拡がっています。
がん性疼痛を始めとする様々な症状への対処ができるのはもちろんのこと、がん治療や高齢者医療に関する深い知識、エビデンスに立脚しつつ患者さんの想い・物語を尊重する姿勢、主治医だけでなく多職種の医療従事者との調整力など、幅広いスキルが求められます。
本講座では、こうした新しい時代のニーズに対応できる緩和ケア医を育成すべく、大学院(医学研究科 博士課程)コースを開講しています。
Multi-board型の緩和ケア医とは
がん診療における早期からの緩和ケアの必要性が認識される中、がん治療と緩和ケアはより密接な関わりを持つようになっています。加えて、
・ がん治療の複雑化に対応した、きめ細やかな支持療法の必要性
・ 分子標的治療薬に代表されるがん治療の低侵襲化・長期化
・ がん治療中に起こる様々な心理・社会的問題
といった動きは、いずれもオンコロジーと緩和ケアの融合(integration)を要請するものです。
本講座では、オンコロジーの臨床経験を持った緩和ケア医の育成に取り組んでいます。例えば以下のような資格、あるいはそれに準ずる臨床経験を持つ医師を歓迎します。
・ がん薬物療法専門医
・ 血液専門医
・ がん診療に関連した臓器専門医(例:呼吸器専門医)+がん治療認定医
・ 総合内科専門医+がん治療認定医
※ 上記のような資格がなくても、これまでのがん診療のスキルに応じて柔軟にカリキュラムを検討することが可能です。心不全などの慢性疾患に携わった経験が豊富な先生も歓迎いたします。
患者さんやその家族は、医療従事者が考える余命にかかわらず、みな「生きる希望」を持っています。患者さんの命を助けるために打ち込んだ経験のある医師だからこそ、限られた時間の中で生きる患者さんにできることがあります。これまでがん治療で培われてきた経験を、緩和ケアという場でさらに活かしていきたいという先生をお待ちしています。
大学院(医学研究科 博士課程)のモデルコース
● 大学院入学時点でのがん診療の経験によっては、1年次に本学腫瘍内科での研修を行うことも検討する場合があります。
● 外勤は必須ではありません。各自の事情(家庭状況、経済面など)により相談に応じます。既に非常勤として勤務している医療機関がある場合は、その勤務を外勤として継続することも検討可能です。
● 優れた原著論文の執筆など所定の要件を満たした場合、早期修了(3年間)の適用を受けられる場合があります。
大学院生の募集は通常9月頃と1月頃に行われます。最新の募集要項や履修要項は、大学院(医学研究科)のWebサイトをご覧ください。
緩和医療学講座の大学院に関する質問のほか、医師としてのキャリアの相談などでも構いませんので、本講座にご興味がございましたらお気軽に kanwa●med.teikyo-u.ac.jp(●を@に変換)までお問い合わせ下さい。
後期研修のご案内
総合診療を含む基本的な内科学や腫瘍学のスキルの上に、専門的な緩和医療を習得することを目指します。緩和ケアチーム診療を通して緩和医療を学び、さらにチーム運営や多職種教育方法も身につけ、学会発表や研究にも取り組みます。3年目からは国内外の院外研修を行うことも可能です。後期臨床研修プログラムのパンフレットはこちらです。