がんプロ共催特別企画『緩和ケア・医療をとおしてWell-beingを考える』を開催しました。

3月1日(土)大学生、社会人の方とコラボセッションを開催しました。

医学部緩和医療学講座 有賀より
緩和ケアに携わるようになったキャリアパスと
患者さんとの対話の中から、
”生きる ” ことについて、健康とは、
幸せとは、考えてきた軌跡をレクチャーさせて頂きました。

患者さんとの対話では、
Why me? と Why not me?
早期からの緩和ケアをイメージさせてくれた患者さんのこと、
死ぬとわかってもやらなければいけないことはあると語った患者さんのことを
紹介しました。

健康とは、単に病気や衰弱な状態でないことを指すのではなく、
心理社会的にも、実存的にもよい状態であることであり、
それは、緩和ケアの根幹であるWell-being(よりよくあること)
として表現されるものです。

また、キャリアの重ね方として、
価値感は変化するものであること、
生きる甲斐は与えられるものではないこと、
自らを承認するのは自分自身であること、
キャリアは、無意識の経験の積み重ねの中でつちかられたものが多く、
進むべき道はこじ開けるより自然に開くものかもしれないことなどを
経験や「夜と霧」の一節を引用しながら説明しました。

そして、人生には限界があり、「まさか」という坂があること。
遠い将来の夢と近い将来の目標を持つこと、
ONE to one としてのONEを持つことを
結語としてまとめました。

レクチャー風景

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学生さんは、国際協力に参加している方とその友人、知人の方々で、初対面の方も多かったようですが、自己紹介しながら、休憩時間も素敵な空気が流れていました。

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続いて、ワークショップでは、主催された学生さんによるWhat is your next challenge?として行動目標を達成するための取り組みを始めるきっかけづくりであることが確認され、行動目標とそれを達成するためのアクションプランをたてることがグループに分かれて取り組まれました。

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就活中、国家試験を目指す人、インターン経験者などの背景とともにかなえたい目標と夢を語り合う姿は、とてもエネルギッシュでした。
そして、グループ内シェアとまとめの言葉-主催者からのメッセージとして、スティーブジョブスの言葉、Stay foolish, stay hungry.で終了となりました。

今回のイベントは、私どもがんプロフェッショナル養成基盤推進プランでサポートしましたが、開催主体は学生さん達です。
会場の選定、応募された方への連絡、会場設営などは自分たちでやってくれました。

終わった後の、アンケートの回収率は、100%でした。
一部ご紹介します。
(語尾、内容の統合などを行っていますので、原文通りではありません。)

・(医療や緩和ケアという)知らない世界を知ることができた。
・自分の今の状態がわかった。
・知らない大学の方と交流を持つことができた。
・他の大学生と知り合え、様々な将来とその過程を聞くことができた。
・人生をどう過ごそうか考えるきっかけになった。
・今、自分は何に興味があって、これからどうしていきたいのかなど考えることができた。

イベント前後での自身の変化が
(とても)あった方は、
・20代で新しい道を進むことが可能だと改めてわかった。
・無意識に考えていた何をしたいか、何をすべきかということが話し合ったり、書いたりすることでわかり深られた。
・すべきことが具体的になった。
・意味がないと思ったことをやりきる、とりあえず形にすることも大切だと気づいた。
・目標達成はするペースは人それぞれでよいのだと思った。
・流れにまかせてみることも大切かなと思った。
・悔いがない生き方を日々考え行動してみようと思った。
・型にはまらず多様な価値尺度をもって認め合うことが大切だと再認識した。

なかった方は、
・たまにぼんやりと考えていたことが、はっきりと形を与えてもらったという印象を持った。
・自分の生き方の再認識をし、立ち止まって考えることができた。

そして、
来てよかった、また、やりたい、やりましょう、がんばります、話しやすい雰囲気で運営の方に感謝など沢山書かれていました。

皆さん、とても、日頃からよく考えていて、
迷路に入っていた方、ばくぜんと感じていた方、無意識下にあった方などもいらっしゃり、その状態も上手く表現されていて、共有することを楽しまれていたように感じます。

そして、ワークショップによって、よりそれが鮮明となり、
意識の上に出てきて、認識されたのだと思います。

今までのレクチャーとは一味違う、本当に、楽しいひと時でした。
私自身も、緩和ケアの普及啓発のあり方を
違うアプローチを経験させて頂きました。
新たな取り組みへの足掛かりとして、若い方々に遅れないように
頑張っていこうと思っています。

医学部緩和医療学講座
教授 有賀悦子

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